デコパージュは万能ではありません。厚手の紙や布、ナイロン、防水加工素材、石けん、食器など、「デコパージュできないもの」や失敗しやすい素材が意外と多いのです。
この記事では、どんな素材がデコパージュに向かないのかをはじめ、うまくいかない理由やNG例、成功のコツまで具体的に徹底解説します。
「すぐ剥がれる」「シワができてしまう」「衛生面が心配」といったお悩みにも、比較表や素材ごとのチェックポイントでしっかり答えます。
これからデコパージュを始める方も、失敗を減らしたい方も、まずは“できないもの”を知ることが大切。この記事でしっかり確認してください。
デコパージュできないもの一覧と理由を徹底解説
デコパージュできないものを一覧でまとめ、その理由を詳しく解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①厚手の紙・布
デコパージュに使う厚手の紙や布は、デコパージュ液が素材の奥までしみこみにくいという特徴があります。
液が十分に行き渡らず、表面だけがくっついた状態になってしまい、結果的にシワができたり、時間が経つと剥がれてしまうことが多いです。
特に初心者の方は、厚みのある紙や布を使うと、仕上がりにムラが出やすく、思い通りにいかないことがよくあります。
デコパージュの基本は、できるだけ薄いペーパーを使うことです。
紙ナプキンやデコパージュ専用ペーパーが推奨されるのは、このためです。
②ナイロンや防水素材
ナイロンやビニール、防水加工された素材は、デコパージュ液が表面に弾かれやすく、しっかり接着できません。
このような素材は、ツルツルしていることが多く、貼った紙が剥がれやすいのが難点です。
さらに液が均一に伸びず、ムラや気泡が発生しやすくなるので、きれいな仕上がりにはなりにくいです。
特に傘やレインコート、ナイロンバッグなど、防水グッズへのデコパージュは長持ちしにくいので注意しましょう。
どうしてもナイロンなどに挑戦したい場合は、事前に専用のプライマーなどで下地を整える必要があります。
③石けん・食品・食器
石けんにデコパージュを施す場合、水分や油分を多く含んでいるため、液がしっかり定着しません。
表面をよく乾燥させても、使っているうちにペーパー部分がはがれてきたり、見た目が悪くなったりしがちです。
また、食器やコップなど「口に触れる部分」「食べ物を載せる部分」へのデコパージュは、衛生面の観点からも推奨されません。
頻繁に洗ったり摩擦が多い食器は、どうしても剥がれやすくなります。
食品へのデコパージュは絶対に避けてください。
④ざらざら・凸凹が多い素材
木材や石、粘土作品など、表面がざらざらしているものや凸凹が多いものは、紙やペーパーがうまく密着しません。
凹凸部分に気泡が入ったり、浮き上がったようになったりして、きれいな見た目に仕上がりにくいです。
ペーパーが引っかかって破れてしまうこともあり、ストレスの原因になります。
どうしてもこうした素材にデコパージュしたい場合は、ヤスリがけなどの下処理をしっかり行う必要があります。
表面がツルツルになるよう丁寧に整えることで、ある程度の密着は期待できます。
⑤高温・水濡れしやすいもの
鍋つかみやランチョンマットなど、熱や水に頻繁にさらされるものは、デコパージュした部分が変色したり、はがれてしまうリスクが高いです。
水濡れによる変形やカビの発生など、衛生面の問題もあります。
どうしても水回りグッズやキッチン用品にデコパージュしたい場合は、耐水・耐熱性のある専用液を使うなど、工夫が必要になります。
ですが、それでも長期的には剥がれやすいので、基本的には避けたほうが無難です。
長く使いたい場合は、できるだけ水や熱を避ける場所のものを選ぶのがポイントです。
デコパージュできるもの・できないもの比較一覧表
デコパージュできるもの・できないものを一覧表で比較し、用途別におすすめ素材や失敗しない選び方も解説します。
一覧表で分かりやすく比較していきます。
①できるもの一覧(貼りつけるもの)
素材 | 特徴 | おすすめポイント |
---|---|---|
木製品 | 吸水性があり、液がよくなじむ | しっかり密着し長持ちしやすい |
紙箱 | 適度な吸水性で仕上がりもきれい | 初心者にも扱いやすい |
ガラス・陶器 | 表面がなめらかで模様が映える | 下処理とトップコートで耐久性UP |
プラスチック | つるつる面でも専用プライマーでOK | 子供グッズや小物作りに最適 |
キャンドル | 表面がなめらかで貼りやすい | インテリアやプレゼントに人気 |
布(綿・麻) | 薄手で凹凸が少ないもの | トートバッグやハンカチなど |
②できないもの一覧
素材 | できない理由 |
---|---|
厚手の紙・厚い布(モチーフとなるペーパー) | 液が浸透せず密着しにくい |
ナイロン・防水素材 | 表面が滑りやすく剥がれやすい |
石けん・食品(△) | 水分や油分で剥がれやすい、仮に石けんでの挑戦は表面をしっかり乾かしてからですね |
食器(口や食べ物に触れる部分) | 衛生面と剥がれやすさ |
凹凸が多い素材 | 気泡や浮き、密着不良が出やすい |
高温・水濡れしやすいもの | 変色・剥がれ・カビなどのリスク |
③用途別おすすめ素材
用途 | おすすめ素材 | 避けたほうが良い素材 |
---|---|---|
インテリア小物 | 木製品・ガラス・陶器・プラケース | 凹凸が多いもの・厚手の布 |
子供グッズ | プラスチック・綿・薄手布 | 防水・ナイロン素材 |
プレゼント | キャンドル・紙箱・ガラス | 食品・食器 |
バッグ・ポーチ | 薄手の布・綿・麻 | ナイロン・防水布 |
④素材選びで失敗しないコツ
素材選びで失敗しないコツは、以下のポイントを意識することです。
- 薄手・平ら・吸水性のある素材を選ぶ
- 表面に油分や水分がないものを選ぶ
- 用途に合わせて耐久性や衛生面を考慮する
- 初めてなら木製の小物やコースターなど扱いやすいものから始める
- 疑問があれば事前に目立たない部分でテストする
素材によって仕上がりや耐久性が大きく変わるので、ぜひ参考にしてください。
デコパージュで失敗しやすいNG例5つ
デコパージュで失敗しやすいNG例を5つ挙げて、それぞれの原因や対策について解説します。
それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
①ペーパーナプキンの準備不足
ペーパーナプキンは通常、数枚の層に分かれていますが、デコパージュでは表面の一番薄い「柄がついている層」だけを使うのが基本です。
層を重ねたまま貼ってしまうと、厚みが出てしまい、液がうまくしみ込まない原因になります。
その結果、シワが寄ったり、部分的に浮き上がってしまったり、見た目もきれいに仕上がりません。
また、余分な層があることでペーパーが伸びたり、破れたりするトラブルも増えます。
作業前には、必ずペーパーナプキンをしっかりと剥がして、薄い1枚にしてから使いましょう。
②液の塗布が足りない
デコパージュ液の量が少ないと、ペーパーが十分に密着せず、乾いた後に浮いてしまうことがあります。
また、液が均一に塗れていないと、仕上がりにムラや気泡が発生しやすくなります。
特に、ペーパーナプキンや薄手の紙を使う場合は、液をたっぷり使うことでシワや浮きを防げます。
「ちょっと多いかな?」くらいを意識して、全体にしっかり行き渡るように塗るのがポイントです。
液を惜しまずに使うことで、耐久性や仕上がりの美しさが格段にアップします。
③貼り直しによるシワ・伸び
一度貼り付けたペーパーをはがしてもう一度貼ると、ペーパーが伸びてしまったり、シワができやすくなります。
特にペーパーナプキンはとても薄く、水分を含むとすぐに伸びたり破れたりしてしまいます。
貼り直そうと力を入れると、余計にヨレてしまい、見た目が悪くなってしまうことも。
どうしても貼り直しが必要な場合は、できるだけ優しく、丁寧に作業を進めてください。
貼り付けは一発勝負と考えて、最初に位置をしっかり決めてから作業するのがコツです。
④乾燥が不十分なまま重ね塗り
液を何度も重ねて塗る場合、各工程でしっかり乾燥させることがとても重要です。
乾かないうちに次の工程へ進んでしまうと、ペーパーがヨレたり、液が濁ってしまったり、最悪の場合はすべてが剥がれてしまうこともあります。
特に湿気の多い季節や、厚めの紙を使う場合は、乾燥時間を長めにとるようにしましょう。
「ちゃんと乾いたかな?」と心配な時は、時間に余裕を持って、無理に急がないことが大切です。
一つ一つの工程を丁寧に進めることで、仕上がりの美しさが変わってきます。
⑤密着しない素材の使用
デコパージュは、素材によってはどうしても密着しづらいものがあります。
ナイロンや防水加工された布、凹凸の多い木や石などは、液がうまく乗らなかったり、ペーパーが剥がれやすくなる原因です。
「せっかく頑張ったのに…」とガッカリしないためにも、最初は扱いやすい素材を選ぶのが成功の近道です。
どうしてもチャレンジしたい場合は、下処理をしっかり行い、必ず少量でテストしてから本番に移るようにしましょう。
素材選びがデコパージュ成功の大きなポイントとなります。
デコパージュ成功のためのコツ7選
デコパージュで失敗を防ぎ、美しい仕上がりにするためのコツを7つご紹介します。
それぞれのコツを詳しくご紹介します。
①薄手の紙・専用ペーパーを使う
デコパージュで一番大切なのは、薄手の紙や専用ペーパーを選ぶことです。
薄い紙はデコパージュ液がしっかりなじみやすく、密着性も高いため、シワや浮きができにくくなります。
特にペーパーナプキンやデコパージュ専用紙は、初心者でも貼り付けがしやすく、失敗が少ないのが特長です。
厚手の紙や布はどうしても難易度が上がるので、最初のうちは避けるようにしましょう。
「薄いかな?」と心配になるくらいが、実は仕上がりがキレイになります。
②下処理剤でしっかり下地作り
デコパージュする前に、素材の表面を下処理しておくことで、仕上がりが格段にアップします。
木材や布、プラスチックなど、吸水性や凹凸が気になる場合は、専用の下処理剤(プライマーなど)を使うと、液のなじみが良くなります。
下処理をしっかり行うことで、ペーパーがピタッと密着し、剥がれにくくなります。
特に凹凸がある素材やツルツルした面には、ひと手間かけて下地を整えることが成功のカギです。
下処理を丁寧に行うだけで、プロのような仕上がりに近づきます。
③たっぷり液を塗る
デコパージュ液は惜しまず、たっぷり塗るのがポイントです。
液が足りないと、ペーパーが浮いたり、シワが寄ったりする原因になります。
全体に均一に液を伸ばして、ペーパーがしっかり吸収するように塗りましょう。
「ちょっと多すぎるかな?」と思うくらいが、実はきれいに仕上がるコツなんです。
特に重ね塗りをする場合は、一度乾かしてからもう一度たっぷり塗るようにしてください。
④十分に乾燥時間をとる
デコパージュは焦らず、しっかり乾燥させることが大切です。
液を塗ったあとは、表面が乾いて見えても、中まで完全に乾くまで待ちましょう。
乾燥が不十分なまま次の工程に進むと、シワやムラが出てしまったり、剥がれやすくなる原因になります。
急ぎたい時も、最低でも数時間~一晩は乾燥時間を確保するのがおすすめです。
ゆっくり丁寧に仕上げることで、失敗をグッと減らせます。
⑤失敗しやすい素材を避ける
「せっかく作ったのに、すぐ剥がれてしまった…」なんてことが起きやすいのが、デコパージュできない素材を選んだ時です。
ナイロンや防水加工の布、凹凸が多いものは避けて、平らで吸水性があるものを選ぶと安心です。
わからない時は、必ず目立たない部分でテストしてから全体に作業しましょう。
使う素材を意識するだけで、失敗の確率がグッと下がります。
最初は木製品や紙箱など扱いやすい素材から始めるのがおすすめです。
⑥用途に合った素材を選ぶ
デコパージュは作りたいアイテムや使うシーンに合わせて素材を選ぶと、長く楽しめます。
例えば、頻繁に手を洗う場所や水回りで使うものには、耐水性の高い液や素材を選ぶのがポイントです。
食器や子供のグッズは衛生面を考慮して、デコパージュ不可な部分には貼らないようにしましょう。
使う場所や用途ごとの注意点を知っておくと、失敗やトラブルが減ります。
目的に合った素材選びが、デコパージュ成功の秘訣です。
⑦仕上げにトップコートを塗る
デコパージュが完成したら、最後にトップコートを塗ることで耐久性と見た目がぐんとアップします。
トップコートを塗ることで、液のべたつきや色移り、傷みを防げます。
耐水・耐熱性を高めたい場合は、専用のトップコートを重ね塗りするのもおすすめです。
トップコートを省略せず、しっかり仕上げることで作品のクオリティがアップします。
ぜひ最後のひと手間も忘れずに、きれいな仕上がりを目指してください。
デコパージュ初心者の疑問Q&Aまとめ
デコパージュを始めるときによくある初心者の疑問を、Q&A形式でわかりやすく解説します。
初心者さんがつまずきやすいポイントをまとめました。
①食器や石けんへのデコパージュはNG?
はい、基本的に食器や石けんへのデコパージュは避けたほうが良いです。
食器の「口に直接触れる部分」や「食べ物がのる部分」は、衛生面で安全が保証できません。
洗浄や摩擦によってデコパージュがはがれやすくなるだけでなく、万が一はがれた部分を口に入れてしまうリスクもあります。
石けんの場合は、使ううちにペーパー部分がめくれてきて、見た目も悪くなってしまいがちです。
どうしても装飾したい場合は「観賞用」として楽しむのがおすすめです。
②子どもの持ち物にも使える?
子どもの持ち物にもデコパージュは使えますが、素材や用途に注意しましょう。
ナイロンや防水素材のランドセルカバーやレインコートなどは、デコパージュが剥がれやすいので避けるべきです。
綿や麻などの薄手で平らな素材のものなら、しっかりと密着させれば長く楽しめます。
子どもがなめたり口に入れそうな部分や、頻繁に洗うものへのデコパージュは、衛生面を考えて控えめに使うと安心です。
安全のため、必ず大人が仕上げのチェックをしてあげてください。
③長持ちさせるコツは?
長持ちさせるコツは「素材選び」と「トップコート」です。
吸水性のある木や紙、綿素材などは、液がなじみやすくしっかり密着してくれます。
最後に専用のトップコートを重ねて仕上げることで、摩擦や水分から守ることができます。
また、乾燥時間を十分にとることも大切です。
用途に合わせて、無理なく使えるアイテムを選ぶのも長持ちの秘訣です。
④使ってはいけない紙・素材は?
使ってはいけないのは「厚手の紙」「コーティング加工された紙」「ナイロンや防水素材」「凹凸の多い素材」などです。
液がうまくしみこまなかったり、ペーパーが浮いたり剥がれたりしてしまいます。
また、油分や水分が残っている素材も避けましょう。
迷ったらまずは目立たない部分でテストして、しっかり密着するかどうか確認するのがおすすめです。
適切な素材選びで、楽しいデコパージュライフを始めてください。
まとめ|デコパージュできないものを知って安全&楽しくクラフトを楽しもう
できないもの・素材 | できない理由 | 詳しい解説 |
---|---|---|
厚手の紙・布 | 液が染み込みにくい | 仕上がりにムラやシワができやすい |
ナイロンや防水素材 | 表面が滑りやすい | 貼った紙が剥がれやすく長持ちしない |
石けん・食品・食器 | 水分や油分が多い・衛生面 | 観賞用以外は不向き・口に触れる部分はNG |
ざらざら・凸凹が多い素材 | 密着しにくい | 浮きや気泡、ペーパーの破れが起きやすい |
高温・水濡れしやすいもの | 変色やカビ・剥がれ | 耐久性が低下し、長持ちしない |
デコパージュは工夫次第で世界に一つだけのオリジナルアイテムを作ることができますが、素材選びを間違えるとせっかくの作品が台無しになることもあります。
厚手の紙や布、ナイロンや防水素材、石けんや食器など、デコパージュができない素材をしっかり把握しておくことは、安全で長く楽しむためにも大切です。
正しい知識とちょっとした工夫で、デコパージュの幅はグッと広がります。
今回ご紹介した一覧表や比較ポイントもぜひ参考に、安心してクラフトを楽しんでください。